昆虫戦記
まことが
先の戦いで
死亡した狼を
運んでいると
地下に続く道へと
衛生兵が行くのが
見えたので
その後に着いて行く。
どれだけ進んだか
ヒンヤリとした
空気が流れている。
更に奥深く進むと
まるで冷凍庫の中に
いる様に
息が白くなる。
息が白くなると
同時に
白く固まった物が
いくつか
ある事に気付く。
良く見ると
無数の狼の
死体だった。
「一旦、ここに置き、落ち着いたら墓を作るのか?」
まことが
衛生兵に
たずねると
衛生兵は
不思議そうな
表情になる。
「墓とは何ですか?」
衛生兵の言葉に
疑問が浮かぶ。
「墓って・・・死んだ者を、ともらう為に作る物だよ。この狼達も墓を作るんだろ?」
衛生兵は
平然と答える。
「いいえ。この者達は、私共、生きている者が食べるのです。必ずしも狩りに行ったからと言って集落全員分の食料が手にはいるとは限りません。戦って死んでいった者達を食べる事により、我等の血となり魂となり、死んでいった者と共に生きる。これが、我等の思想です。」
まことは
言葉を失った・・・。
「全て、ムダには出来ないんです・・・」
先の戦いで
死亡した狼を
運んでいると
地下に続く道へと
衛生兵が行くのが
見えたので
その後に着いて行く。
どれだけ進んだか
ヒンヤリとした
空気が流れている。
更に奥深く進むと
まるで冷凍庫の中に
いる様に
息が白くなる。
息が白くなると
同時に
白く固まった物が
いくつか
ある事に気付く。
良く見ると
無数の狼の
死体だった。
「一旦、ここに置き、落ち着いたら墓を作るのか?」
まことが
衛生兵に
たずねると
衛生兵は
不思議そうな
表情になる。
「墓とは何ですか?」
衛生兵の言葉に
疑問が浮かぶ。
「墓って・・・死んだ者を、ともらう為に作る物だよ。この狼達も墓を作るんだろ?」
衛生兵は
平然と答える。
「いいえ。この者達は、私共、生きている者が食べるのです。必ずしも狩りに行ったからと言って集落全員分の食料が手にはいるとは限りません。戦って死んでいった者達を食べる事により、我等の血となり魂となり、死んでいった者と共に生きる。これが、我等の思想です。」
まことは
言葉を失った・・・。
「全て、ムダには出来ないんです・・・」