昆虫戦記
「・・・・確かに、私共には、鋭い牙もなければ爪だってない・・・でも、知恵がある。今から言う言葉は、気分を悪くさせてしまうかもしれませんが、はっきり申し上げると、この集落の周りは、守りが甘すぎると思います」

狼の長は
通訳をしながら
ニヤリと微笑む。
ネズミの長も
微笑む。

(λψξλομдпс)「ほう。甘すぎるか・・・・。そこまで言うなら、まこと殿に良い案があるのだと思いますが、それは、どの様な案ですか?」

まことは
ハキハキと
話し始める。

「ええ。勿論あります。無ければ、言いません。俺ならば、まず、集落の周りに溝をつくり幅の広い川で周囲を囲みます。ここで問題になるのが水は、どこから引けば良いのか?と言う事ですが、付近に湖があります。そこから引けば良いでしょう。集落を結ぶ橋を3つ程つくり、安易に陸型昆虫を侵入させないばかりでなく昆虫が水の中に落ちれば致命的になるはずです。昆虫は我々とは違い腹で呼吸をしているからです。川を作った際、出た残土は集落に集め高台にし、高台の上に本拠地を作ります。上からの攻撃のが優位になるばかりでなく周りを一望でき、こちらの索敵能力が上がる事だと思われます。
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