好きなんだよ?
*再会


「キスしていい?」


彼女は顔を
赤くしながら
小さく頷いた。


彼は彼女を
抱き締めると
優しく触れるような
キスをした。


―――――…。


「…彼氏ほしぃー」


ぼそっと口にして
ハッとした。
でも、時すでに
遅し…。


「パッッコーン」


今は日本史の
授業中。


教室中に響く
軽快な音と
どっと騒がしくなった
クラスメイトの
笑い声。


「お前、俺の授業受ける気ないだろ」


180cmの長身を
曲げて私の目線に
合わせて
そう呟く先生。


「すみません…」


そう答える
しかない私。


「お前見た目は真面目そうなのにな」


最後にコツンと
頭を叩かれ、
先生は黒板の
方へと戻って行った。


先生、それ私の
コンプレックス
なんだけど…。


私は眼鏡をかけて
髪を二つに
縛っているからか
第一印象は必ず
“優等生”
だった。


でも、全然
嬉しくなんかない。


そんな事を
考えていると
あっという間に
今日最後の
授業が終わった。
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