好きなんだよ?
「翔ちゃん!?」
「まなか!?」
お互いの声が
重なった。
あまりの驚きで
2人とも体が固まって
いると、状況が
わからない瑠海が
「何??なに??」
と私の袖を引っ張った。
私と翔ちゃんは
いわゆる幼馴染み
ってやつで
小学2年生までは
親同士が仲良かった
ってこともあって
毎日泥んこになって
遊んでいた。
でも、翔ちゃんの
お父さんが
亡くなっちゃって
お母さんの実家の
北海道に引越して
しまっていた。
引越してから
1ヵ月くらいは
手紙や電話のやり取り
はしていたけど
どちらからともなく
連絡しなくなっていた。
そのことを瑠海に
説明すると
「ふぅーん」
と、何だか楽しそうに
言った。
「でも、翔ちゃんと瑠海が友達って知らなかったー!!」
そう言うと
何だか翔ちゃんが
気まずそう。
「あたし、ナンパされたの」
瑠海が悪戯な笑顔で
そう呟いた。
「だからあれは罰ゲーム!!!!!!!!!」
翔ちゃんが慌てて
訂正する。
「翔ちゃんって…チャラかったの??」
私が面白半分で
そう聞くと
「まなかまで……」
翔ちゃんが段々
小さくなってしまった。
なんか悪い事
しちゃったな…。
「ははっ(笑)大丈夫、翔そんな軽い男じゃないから安心しな??」
そっか、そうだよね!!
よかったぁ。
私がホッとしていると
瑠海が席を立った。
「あたし、バイトあるから行くね。ごゆっくり~」
あっという間に
瑠海は店の外に
出ていた。
瑠海、どんだけ
早いのさ…。