ストロベリーキャンドル
「な、ななな何言って ...っ」
「先輩、顔赤いっすよ?ほんと、かわいいですね」
「ほ、ほんとにやめて?お世辞って分かってるし!」
「はいはい、別にお世辞じゃないんすけどねー」
絶対からかわれてる。
しかも、軽くあしらわれた気がして悔しいー!
「じゃ、じゃあね!」
校門で、拓哉くんに別れを告げて、さっさと帰ろうとすると、パシッと腕を掴まれた。
「送るって言ったんだけど?」
「だからいいって... 」
「却下。変な奴に会ってからじゃ遅いっすよ」
「大丈夫だよ?泥棒だったら、ちゃんと警察に電話するから♪」
そう言って、ケータイを出して見せる。
「泥棒って…。そういう意味じゃな……確かにこれは鈍いな…」
「え?なんか言った?」
ぼそっと呟いた声は私には聞こえなかった。
「なんでもないっすよ。」
「…?そぉ?」
「じゃあ帰りましょうか。」
「…っ やっぱりついてくる気なの?」
「もちろん!」
「うぅ…」
結局、拓哉くんの押しに負けてちゃって送ってもらうことになった。
ホント、私って押しに弱い…