ストロベリーキャンドル
《第一章》
はじまりの一声
【結菜side】
「好きですっ!!」
唐突に聞こえた声。これが始まりだった。
「は?」
私は驚いてすごい速さで振り返った。そこにいたのはなんと、1年生だった。
うちの学校は、学年によってネクタイとリボンの色が違う。私の学年は青で2年生。3年
生は赤で、1年生は緑だ。
目の前にいる生徒のネクタイは緑色。つまりは1年生、というわけだ。
「今、なんて?」
「だから、好きです。」
...からかわれてんのかな?
だって、今日は入学式の翌日。昨日の今日で告白なんてする人いるの?
しかも、顔はかなりかっこいいときた。
「それ...冗談?」
「違います。本気です。」
「だ、だって私あなたのこと全然知らないし、あなただって知らないでしょ?」
「それはそうですけど...」
あわわわわっ
なんか落ち込んじゃった。どうしよー!?
私こういうの苦手なんだよねぇ...
私が1人で悩んでいると、その男子はいきなり顔を上げてきらきらした表情で言った。
「じゃあ...」