ストロベリーキャンドル
「ん?」
「ここよっここ!」
――――おまじない効果
幸せな恋ができる――――
「おまじない?」
「そう♡なんかいいなって思って」
「へー、かわいい♪よく見つけたねー?」
「まぁ、たまたまなんだけどね。結菜もなんか買わない?」
「そーだなぁ……あっこれかわいい」
そう言って私が手に取ったのはネコのキーホルダー。
「あ、それ最近出た新作よ。効果は……なんだっけ?」
「…心温まる恋を知る?だって」
「あ、それそれ!結菜にいいんじゃない?」
「…なんで?」
なにか嫌な予感がするのは気のせいだろうか。
いや、気のせいじゃない。なぜなら、里歌の顔がニヤニヤしているからだ。
「だって~拓哉くんてムードメーカー的な感じがするし、一緒にいてあったかくなりそうじゃない♪」
やっぱり。
予想通りの答えだった。
でも、一緒にいてあったかくなりそうは何となくわかるなぁ。
「確かに、そんな感じはするけど…」
「でしょっ!遠くの好きな人より、近くの他人よ!!」
「はい?意味わかんないこと言うな……それより、里歌の買いたいスケッチブックのおまじない効果は?」
「えっ…それはぁ…その、ねぇ?」