ストロベリーキャンドル
【拓哉side】
「はよー」
後ろから匡樹の声がした。
日曜日の朝九時半、俺たちは家の近くの駅で待ち合わせしていた。
「おー、さすが匡樹くんぴったりだな」
「相変わらず、拓哉ははえーのな」
「まぁな」
ぴったりに着くつもりなんだけどなぁ。
なんか、いつも早く着いちゃうんだよ。
まぁ…遅れるよりはマシじゃねぇ?
「んじゃ、待ち合わせ場所行こーぜ」
「そうだな。今からでちょうどくらいか?」
「いや、絶対早く着くぞ」
「なんでだよ?」
「君がぴったりって言ったから」
「なんだよ、その理由」
「わかりやすくね?」
「……」
そうですか。そうですよね。
なんか釈然としないが時間が時間なので、俺たちは電車に乗った。