ストロベリーキャンドル
「なぁ~」
「なに」
電車に乗って待ち合わせ場所に向かう途中、匡樹が話しかけてきた。
「お前、緊張してねぇの?」
緊張…?
「全くしてねぇな」
うん。全くしてない。
「へぇ、まぁ意外でもなんでもないか。
つーか、その前に拓哉が人をデートに誘う時点で驚きだけど」
「そうか?」
「そうだよ。中学時代じゃ考えらんねぇもん」
「ふーん、まぁそうだな」
中学の時はサッカーばっかしてたな。
女と遊びに行こうなんて考えたこともなかったし。
「それだけ本気ってことだよ」
「春だねぇ♪青い春と書いて青春♪」
「うざい。黙れ。」
「うっわー、拓哉くんがつれないー。」
「いいだろうが、うざいのとキモいのは事実だろ。」
「キモいが加わってるし、ひでー」
「あーはいはい。」
まったくうるさいですね。