ストロベリーキャンドル
「にしてもお前が顔赤くするなんて珍しーじゃん。」
顔にかかった水を手でぬぐいながら匡樹が言う。
「……そうだな。」
「いや~マジでびっくりしたわ。」
そう言って匡樹はニヤけ顔を開始する。
「……」
バシャッバシャッバシャッバシャッ……
「ウゴッグヘッゴホッブフッ…」
うざかったのですごい勢いで匡樹の顔に海水をかけまくってみる。
顔のおでこの下あたりに向けて集中的に。
「っで――――!!水がかかる位置にすんげー悪意を感じるんだけど!?」
「気のせいだよ、気のせい♪」
俺は満面の笑みを浮かべて言ってやった。
もちろん悪意はたっぷりだが。
「……にっこり笑うあたりがすげあやしーんだけど?」
「ま、気にしないことですね。」
「それ水かけた張本人が言う!?」
「……。」
「んでもってスルー!?」
さ、ぐだぐだ文句を言ってるやつはほっておこう。