ストロベリーキャンドル

拓哉くんは私から目をそらしてくれない。

そらしたいのにそらせない。

何もかも全部見透かされているような…

そんな気がする。

結局先に目をそらしたのは拓哉くんだったけど。

…ねぇ!結菜?ねぇってば!」

え?

「あ…あぁごめん、なに?」

拓哉くんに気をとられて里歌の声が聞こえてなかったみたい。

「もう!
だから、ちょうどいいし、みんなでご飯たべない?
ってことになったんだよ?」

え…まさかの展開なんですけど?

私が話聞いてない間にそんなことになってんの?

それはご勘弁願いたいんだけど…

なので

「なーにいってんのよ。デートなんでしょ?
お昼くらい2人で食べなさいよ。」

と軽く牽制してみたが…

うぅ…なんか、自分で言っといてちょっと傷ついてるのがねぇ…

なんともいたたまれないんですけど…


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