ストロベリーキャンドル

君のためいき


【拓哉side】


「あの、里歌先輩。

ちょっと提案があるんすけど…」


俺はそう話しかけた。


「俺、結菜先輩と一緒に昼飯食いたいんで、

二人で抜けてもいっすか?」


「へ?」


隣で結菜先輩が間抜けな
声を出した。


そりゃそうだろうな。


俺いきなり二人で飯とか言い出したし。


まぁ、二人で昼飯を食べたかったのは本当。


でも、こんなことを提案したのは、

結菜先輩が翔って人と乃愛って人と

一緒にいたくなさそうだったから。


その理由はたぶん…

結菜先輩が翔って人のことを

好きだからだろうな。


「だめっすか?」


「え、別に私はいいけど…結菜はいーの?」


「……。」


答えがない。


「おーい?結菜ー?」


里歌先輩が声をかけたが

返事がない。


しょうがない。


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