ストロベリーキャンドル
「ねぇねぇ、夏目君はなんで結菜のことが好きになったの?」
やっぱり...こうなると思った。
屋上に着くなり、里歌は予想どおり夏目君を尋問しだしたわけです...
「あー、夏目君。里歌の言うことは無視していいからね?」
「いえ、別にいっすよ。全然大丈夫です。
てゆーか、拓哉って呼んでくださいよ、結菜先輩。」
「あ、えっと...その... 」
「お熱いですねぇ?お2人さん。
...それより夏目君、さっきの質問に答えてくれないの?」
「それはまだ秘密っす。先輩を口説く時にでも使うんで」
そう言って、拓哉くんはニヤッと笑った。
「なっ... 」
すごいことをサラッと言われて、私の頬は一気に赤くなってしまった。
「おぉっ言うねぇ夏目くん。」
「でしょ。俺、言うときは言うんすよ?」
「それは、正解だね。結菜あり得ないくらい鈍いから。
それくらいストレートじゃないとね。
でもねぇ...結菜、好きな人いるよ?」
恥ずかしくて固まっていたら、里歌があり得ないことを言い出した。
「ちょっ、なに言ってんのよ!」
しかも、鈍いって!鈍くないのにー
「いいじゃない。いつかは言わなくちゃいけないし。」
「でもさぁ」
「別にいっすよ。」
「え?」
私と里歌は思わず聞き返した。
いいってどういうこと...?
「覚悟してましたから。」