ストロベリーキャンドル
「覚悟してた...?」
「はい。だって、好きになった人に好きな人がいないなんて、そんなうまい話そうそうあるはずないじゃないっすか。」
あぁ...なるほど
「確かに、そうね。」
「だから、そんなことでくじけないっすよ。」
「他の人のことが好きでも関係ないってことか。」
「そうですよ!今は違う人が好きでも、最終的に俺を好きになってくれればOKってことなんすから。」
「勇ましいねぇ。まぁ、頑張れよ、少年!」
そう言って里歌は拓哉くんの肩をポンポンと叩いた。
ってあんたは誰よ!
キーンコーンカーンコーン
「あ、ヤバっ。予鈴!里歌、行くよ~」
「そうだね。んじゃ、またね。夏目君」
「じゃあね。拓哉くん!」
次の授業は、遅れるとすごく成績に響く先生だったので
「さよなら~。明日も屋上で待ってるんで!」
という拓哉くんの声を聞きながら、私たちは教室にダッシュした。