君と過ごした日々





振り返るとそこには。




「…綾、と、拓海?」



こちらをすごい笑顔で見つめる綾と、睨むような目付きで見る拓海がいた。



「な、んで、お前らが、ここに、」


見たことがない組み合わせに、自分でもわかるくらいに動揺してしまった。



「ふっ!!智士ってば動揺しまくりー!!うけるー!!」


拓海に寄り添うように立っている綾に、バカにしたような言い方をされて、俺の中の何かが切れた。



「ってめぇ!!こんなとこで何してんだよ!!何でここにいんだよ!!」


「はぁ?別になんだっていいでしょ!!どうせあんたもサボってんだから!!」


「それとこれとは関係ねぇだろっ!!」


「意味わかんない!!てかうちの事なんてほっといてよ!!あんたにとやかく言われる筋合いなんてないんだけどっ!?」


「っ…!!それでも!!」


「な、なによ!!」



それでも俺は、お前が拓海と寄り添っているのを見てるだけなんて耐えられねぇんだよ。

お前の隣には、いつも俺がいたから。


他の奴がお前の隣にいるなんて…、耐えられねぇんだよ。


「…智士?」


ほらまた。お前は拓海の隣にいるのに、俺を気にかけたりなんてするから。


お前の特別だなんて勘違いしちゃうんだよ。



「さと、」


「それ以上近寄るんじゃねぇ。」


それ以上近寄られたら、俺、自分の今の気持ち全部お前に吐き出しちゃいそうだから。








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