君と過ごした日々
{拓海side}
今まで、授業をサボるなんて事有り得なかったのに。
何で俺は、一人の女にここまで変えられなきゃいけないんだ?
なぁ、綾…
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君が、傷付いた顔なんてするから悪いんだ。
泣きそうな顔なんてするから悪いんだ。
だから俺は、結局自分を押さえることが出来なくなって。
気づけば君を教室から連れ出していた。
君は俺が連れ出したことにたいして驚いていたけどさ、
「…綾が、辛そうな顔なんてするから。」
いい加減限界なんだよ。
「…してないよ?」
ほらまた。嘘が詰まった笑顔で笑うから。
「…じゃあ、このままサボっちゃおっか?」
でも、俺はその理由を知っても和らげてやることは出来ない。
なのにさ、
「うんっ」
そんな笑顔で応えられたら、また色々我慢できなくなるんだろうがよ。