君と過ごした日々


{真弥said}


「綾が小6の時だよね…。」


「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」


違う。
うちはこんな事が言いたいんじゃない。


「おい、綾!!」

「綾!?しっかりして!!」


綾の傷をえぐりたくてこんな事をしてるんじゃない。


「おい戸上!!
どうなってんだよ!!説明しろ!!」


ただ、確かめたかっただけ。


「真弥!!」


綾の気持ちを。


―――――――――――……………


綾と春香、二人が感動の再会を果たしてる。

二人の目に、うちの姿なんて映ってない。

大きすぎる疎外感に思わず笑いが漏れてしまう。

そこに、


『戸上真弥さん。』


何事も制するような冷たい声。


『平井…里桜…。』


『ご存知で光栄です。』

何かもう嫌な予感しかしないんだけど。

『何の用でしょう?』


『ちょっとお話しがしたくてね。
静かな所がいいから…、博物館でも行かない?』


もし、春香がさっき言ってた事が本当なら、この人はライバル。


『いいですよ。行きましょう。』


なら向こうもそれなりの情報は持ってるはずだから。

行っても損はない。はず。


『先に言っとくけど、里桜は別にあんたのライバルじゃないからね。』


あれ?急に口調が…。


『確かに智士の事は好きだけど。
でも、どうなるかなんて人生わかんないし。』


何かキャラが…?


『春香に何て聞いたか知らないけど、里桜は正々堂々とぶつかってくから。』


< 34 / 162 >

この作品をシェア

pagetop