君と過ごした日々




皆が黙って見つめるなか、佐光が口を開く。


「まず級長は真翼 智士。」

「は、俺!?」



あ…サッカーバカ。

絶望したような顔で椅子から立ち上がった彼は、なんとも哀れ。

まぁ、普通の人ならああいう風になるだろう。



「副級長は五十嵐 綾。」


………。



「は?」



絶対に聞こえるはずのない名前が、先生の口から出た。


うん、いや…待てよ?

うちが副級長。


このクラス確実崩壊していくけどそれでもいいのか!?


「2人とも前でろ。」


絶対うちは認めねぇ。

副級長なんて絶対やんねぇからな!


「………。」


「五十嵐、早くしろよ」


今行きます。

そりゃ怒られれば怖いもん。

出るしかないじゃん。


「えー、お前ら2人が今日からこのクラスの代表だ。

きちんと自覚していくようにな。

はい。級長、副級長になっての意気込みをどうぞ。」


妙にだらだらした先生の言い方は、イラッとする。



よし、サッカーバカ頑張れ。


なんて思ったのが伝わったのかわかんないけど


「えっと真翼 智士です!!
このクラスをまとめて行けるように頑張るから、
一緒に楽しもうな!」



うん、さすが級長任されてるだけある。

しっかりしてる。


「…あ。えっと五十嵐綾です。
級長サンと同じく頑張っていくんでよろしく。」

当たり障りのないコメントで、その場をしのぐ。



…ていうか。


なんでこんなことになってんの!?





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