初恋
電話を切った愁は私の髪にそっと触れた。



「ガールフレンドって言っちゃった!」



ニコニコ笑う愁は子供みたいでやっぱり可愛かった。

でも今は一つ気になる事。



「愁…もしかしてお金持ちの家の子供だったりする?」



爺、にケーキのオーダーの仕方とか。
そんな気がした。



「子供って…これでも一応17だよ?」



シュンと肩を丸める愁。

って…そうじゃなくて!



「やっぱりそうなの?」


「よくわかんない!父親が事業の社長をしてるのは確か。だと思う…記憶力やべーな!」



やっぱり凄い所の子供だったんだ。
家で見てもらえばいいのに、家じゃ無理な病気なのかな?


あれ…私、愁の病気の事聞いた事ない。



「愁?あの…」


「ん?どうした。」



なんて聞けば良い?
゙どんな病気でここにいるの?"

そんな事聞けない。
聞かれて嫌なのは私が一番知っている。



「なんでもない、クリスマス楽しみ。」


「?優美変なのー。」
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