初恋
なんか不思議。

人と接する事が苦手だったのに、愁が隣にいるようになってから「明るくなったね」って看護婦にも先生にも言われた。
愁のおかげだね。



「クスッ」


「どうしたの優美。」


「愁は凄いなーって思って、魔法使いみたい。」



私がそう言うと、愁はよくわからなさそうな顔をして、首を横に傾け笑った。



「じゃあ、そろそろ戻るよ」



気付けば一時間が経っていた。



「うん、またあしっ…」


「おやすみ」



固まった私の頭をポンと撫でると部屋を出て行った。

今おでこに…
おでこにチュウした!
愁がおでこにチュウしてきた!
ど、どういう態度を取れば良いの…



おでこでも、男の子にキスをされるのは初めてだったから、戸惑った。

きっと顔…また真っ赤なんだろうな。



その日は中々寝付けなかった。
何度目を閉じても頭の中は愁の事ばかり。




愁が……好き……?
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