初恋
「優美!飾り付け一緒にやろ。」


「あ、うん!」




色とりどりに繋がれたくさり。その周りを更に華やかに見せる花も折った。


飾り付けを終えて椅子に腰をかけるとノックが聞こえた。




「あ、多分爺だよ。開けるね。」



愁がドアを開けると真っ黒の執事服を着て、白い手袋をまとった50代後半くらいの人が見えた。




「こんにちは、坊ちゃん。ケーキとお菓子と飲み物、それと頼まれた物をお持ちしました。」


「ありがと、テーブルに広げてくれる?」




その人は、はい。と会釈をすると一礼して部屋に入って来た。


挨拶した方がいいよね。




「あ、あの…」


「初めまして、優美様。いつも愁お坊ちゃまから話しを聞いていますよ。」



おっと、お爺さんのが早かった。



「愁から…?そ、そうなんだ?」


「爺うるさい!優美には秘密。」


少し照れたそぶりを見せた。



可愛い所もあるんだよね。
カッコイイ所もあるし。


色んな表情をする愁を、私は知っている。
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