初恋
「では私は失礼致しますぞ。愁お坊ちゃん、優美様、メリークリスマスです…」


「メリークリスマス、爺。準備ありがとう。」

「あっ、ありがとうございます…」



お爺さんは一礼すると部屋を出て行った。
愁と二人…



「優美、ほらグラス持って!」

「うっうん、ごめん…。ちょっと緊張…してるかも?」



顔、赤くなってないよね?
愁…変に思ってるかな。


ちらっと愁の顔を見ると愁はクスッと笑った。



「ばーか!俺は優美と二人きりのクリスマスパーティー楽しいよ?乾杯しよ。」

「ありがとう…」

「いいから!はい、乾杯っ!」



グラスのぶつかるカチンと言う音が、部屋に染みるように響いて聞こえた。



「愁、この飲み物は何?」

「ジンジャーエールだよ。飲んでみて。」



コーラは私も知ってる。茶色っぽくてシュワシュワしてるやつ。

だけどジンジャーエールって初めて。
見た目は…コーラの色違いだね。

私はグラスにそっと口をつけて一口飲んでみた。



「ん…おいしい。」

「でしょ?優美が未成年じゃなかったらワインとか飲ませちゃうんだけどな~」
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