初恋
「いやーやっぱ室内も少しは寒いね、冬ーって感じだよね!」


「そうだね…」


「なんか飲む?ココアが良い?あれここカフェとかないの?」


「か、カフェって、ここ病院だよ?」


「あ、そうだったそうだった!あはは」



なにを言っているのかサッパリ。
頭おかしい人なのかな。

しかも「なんか飲む?」って!!!
会ったばかりの人に軽々しく言える事じゃ…



「なんかさ、病院ってしんみりしてない?」


「そ、そうだね」


「いつからここにいるの?」


「結構前だけど…」


「優美いくつなの?」


「15だよ、中3」


「じゃあ俺の2つ下だ!」




話しはほとんど愁の質問攻めだった。

人見知りな私にはとても居心地が悪かった。

は、早く部屋に戻りたい…



「優美ってさ、可愛いよね!」


「んえっ!…あっ」



愁がいきなり可愛いとか言うから変な声出ちゃったじゃん!!!
なんて言えず…、急いで両手で顔を覆った。



「んえっ、てなんだよ!やっぱ優美可愛いわー。」


「か、からかわないで、恥ずかしいから。」


「からかってないよ?優美は可愛いよーって。もっと自信持て!」



そう言うと愁は軽く私の頬をつねった。




この日から私達の恋は動き出していたんだね。
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