初恋
あれからしょっちゅう私の部屋に顔を出す愁。

一週間しか経っていないのに、気付けば隣には毎日愁がいた。



「優美ーっ!みかん食べない?」


「え…あ、うん」


「いい加減なれてよー…言葉まだ遠慮してる。人見知りなんて俺の前ではポイポイ!」



愁は笑いながらみかんを剥きはじめた。

どうして私の側に毎日いるんだろう。
暇すぎて仕方ないのかな。

でも態度とか入院生活初めてじゃなさそうだし…
私は毎日頭がハテナでいっぱいだった。



「ゆーうみっ、はい!みかんあーんしてあげる。」


「ええ、じ、自分で食べれるよっ…。」


「いいからいいから俺が食べさせてあげたいのー」



恥ずかしい言葉を事を次から次へと良く流せるよなぁ…。
そう思いながらも目をぎゅっと閉じて口を開けた。



「ん、甘いっ。おいしい!」


「でしょー!優美が食べてると100倍美味しそうに見える。」



クスッと笑いながら愁もみかんを口にした。



「爺が持ってきてくれたんだ。」


「愁のお爺さん?」


「んーと、俺のお世話してくれてる人!」


「そうなんだ」




なんか良く分からなかった。
お世話してくれてる人?

なんか愁との会話、ハテナがいっぱい出てくるや。
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