キス禁止令
「わからないのなら、梓に悩む資格はありません。」
「……」
「私なら、無理です。大好きな人と触れ合えないなんて。怖くて、不安で、消えたくなります。」
私も同じ。
たった15日だけど、千早と触れ合えないだけで私も
怖くて
不安で
消えたくて…
息が苦しくなる。
「梓、もうやめたらどうですか?」
「……」
「キス禁止令なんて。」
「……」
「無理ってわかったんじゃないですか?梓も…千早君も。」
「…千早も?」
「ふふ、ほら。行って下さい。」
未来に、トンと背中を押され…私は千早のもとに走った。
教室にはいない、千早はきっと中庭で寝てるはずだ。
ね、千早…。
いつの間にか、
千早よりも私の方が
キス魔になってたのかも。