キス禁止令
「私……さいて…だ、ね。でも…千早にふれたくて…」
もう自分が何言ってるのがわからない。
涙で千早の顔も見えないし、声も震えて喋れないし…
「!」
「いい、ゆっくりで。聞くから。ちゃんと」
千早が優しく私を抱きしめ、頭を撫でてくれる。
千早の温もり、千早の香り、千早の声
全てが私を刺激して、私を包み込む。
私、もう…千早がいなきゃ駄目なんだ。
久しぶりの千早の温もりに、涙が溢れて止まらなくて、千早にしがみついて泣いた。
その間、千早はずっと抱きしめてくれて頭を撫でてくれた。
数分後、だんだん落ち着いてきた私。
だけど千早から離れたくなくて、千早からは離れない。
「梓?」
「……うん。」
千早にちゃんと話さなきゃ。
「あのね、」
「ん?」
「千早ね、どこでもキスしてたでしょ?」
「ん」
「それがね、なんかキスって何?ってなっちゃって…千早にとってキスって簡単なの、って」
私は千早とのキスは大事で、大切なのに簡単にされちゃって…
なんか愛がないキスって感じて
怖くなった。