キス禁止令
「触れたら我慢できなくなる」
「ふ…んっ」
「だから触れなかった」
そうだったんだ。
千早、すごい我慢してくれてたんだ…。
「別れるなんか言わせない」
「ち…はや……」
「離れるなんて許さない」
おでことおでこをふっつけて、千早が続ける
千早の息遣いが、聞こえる。
「俺は言葉足らずだから…」
「…ふっ」
「キスで愛情を示してるつもりだった」
キスが止まり、千早が私を引き寄せる。
千早、ドキドキいってる。
私と同じ。同じリズム。
「愛がないキスなんてしない」
「…うん。」
「梓以外キスしたくない」
「うん。」
「もう言うな、キス禁止なんて」
もう、言わない。
千早のキスがないなんて無理。
千早が大好きだから。
キス禁止令、15日目終了…。
[おわり]