そら色クレヨン
*第一章*
*青色クレヨン*
「おおっと笹沼高校打ったー!!!!」
テレビの中で甲子園の実況する人が叫んでいた。
その様子をソファーの上からぼーっと眺める。
「ほーら!葵(あおい)じゃーま」
お母さんはのんきな私にしかめっ面をした。
「待って!今、いーとこなの!!!」
私は特に甲子園を熱中して見たい!!!
という訳でもなく、ただ単に勉強したくないから適当な嘘を言う。
「葵はもう受験生なのよ!?少しは勉強しなさい!!!」
最近お母さんはなにかと「受験」という単語を使っておどかしてくる。
「はーい」
そんなお母さんにやる気のない返事で返す。