SECRET SYSTEM
マセソンの日記:3
『 ------結局。
おばあさまは、僕に自信を持たせたかったのだろうか。
その辺がよく解らないまま、《セレア》の残留プログラムは消えてしまった。
未だによく解らない点は多い。けど、なんだかすっきりした。
祖父の研究記録を、流したのも祖母だった。祖父の生前の遺志を尊重したらしいが、身内に流さなかったのはどういう訳だろう。そのへん、どうもアバウトだ。ひとは見かけによらないもんである。
ただ、ひとつ解るのは、
“サラ"が二人にとってすごく大事なシステムだということ。
偏屈そうに見えた祖父が、自分の本心で創り上げた、大事な娘。
サラの優しいところやよく笑むところは、おばあさまをモデルにしたのかと思っていたけど、ひょっとしたらあれが本当の“カミル"なのかもしれない。
僕にもいつか、あんな素晴らしいシステムは創れるだろうか?
いつまでも優しさと、夢を見る力を保ち続けられるだろうか?
まあ、とにかく・・・
そんな大事なものを任されてしまった。
なしくずしだがマスターに任命された訳だし。
・・・それに、サラは僕にとっても 』