晒し神
警視庁のサイバー犯罪対策室からの連絡で、熊本県警が動いていた。
先の「中学生焼身自殺」で、詩織への書き込みを特定された「晒し神」なる人物「イズノ トモキ 48歳」の自宅へと向かっていた
「唯さ~ん、熊本県警から電話です」
今年配属された須藤が、唯に見えるような仕草で、受話器を持ち上げた
「はい、小林です、はい、はい、え?はぁ、判りました、ありがとうございます」
「どうかしましたか?唯さん」
電話の受け答えを気にして、市毛が声をかけた
「半年前に亡くなっているってさ」
「え?イズノ トモキですか?では家族の誰かが?」
「今は、奥さんと高校生の息子さんの二人暮らしらしいけど、関連はないんじゃないかって」
「一応、パソコン等は任意で持ち出して調べたらしいけど、何の痕跡もないって」
「東京での、あの自殺のことも知らないらしいし、面識も接点もないって」
「もう少し調べてくれるみたいだけど」
少し険しい表情で市毛に説明をする、唯
そこへ、同じ部署の捜査員が「市毛さん、これ」と報告書を持ってきた
「おお!でた?」と報告書を受け取ると
「ん?」と横からそれを覗き込む、唯
「他の事件でのヤツの発信場所です」そう言いながら、慌しく封書の中身を取り出した
食い入るように書類の内容を見た市毛が
「何だこれは...」と声を出して、眉をひそめながら、左手を口に当てた
「え?これって、ほぼ国内全部に散らばっているじゃない!」
横で見ていた唯が目を見開いた
「全部発信源も違うし、プロバイダーも契約者もバラバラじゃないか!イズノじゃないのか?」
市毛が声を荒げた横で
「一人だけじゃないの?晒し神って」と、イスにストンと座りながら、唯が言った
先の「中学生焼身自殺」で、詩織への書き込みを特定された「晒し神」なる人物「イズノ トモキ 48歳」の自宅へと向かっていた
「唯さ~ん、熊本県警から電話です」
今年配属された須藤が、唯に見えるような仕草で、受話器を持ち上げた
「はい、小林です、はい、はい、え?はぁ、判りました、ありがとうございます」
「どうかしましたか?唯さん」
電話の受け答えを気にして、市毛が声をかけた
「半年前に亡くなっているってさ」
「え?イズノ トモキですか?では家族の誰かが?」
「今は、奥さんと高校生の息子さんの二人暮らしらしいけど、関連はないんじゃないかって」
「一応、パソコン等は任意で持ち出して調べたらしいけど、何の痕跡もないって」
「東京での、あの自殺のことも知らないらしいし、面識も接点もないって」
「もう少し調べてくれるみたいだけど」
少し険しい表情で市毛に説明をする、唯
そこへ、同じ部署の捜査員が「市毛さん、これ」と報告書を持ってきた
「おお!でた?」と報告書を受け取ると
「ん?」と横からそれを覗き込む、唯
「他の事件でのヤツの発信場所です」そう言いながら、慌しく封書の中身を取り出した
食い入るように書類の内容を見た市毛が
「何だこれは...」と声を出して、眉をひそめながら、左手を口に当てた
「え?これって、ほぼ国内全部に散らばっているじゃない!」
横で見ていた唯が目を見開いた
「全部発信源も違うし、プロバイダーも契約者もバラバラじゃないか!イズノじゃないのか?」
市毛が声を荒げた横で
「一人だけじゃないの?晒し神って」と、イスにストンと座りながら、唯が言った