晒し神

ファン

巷では「晒し神」が一種のブームになっていた。

「晒し神」の「ロゴ入りTシャツ」や、勝手に「晒し神」をイメージした、どことなく「ムンクの叫びに似たキャラクター」のストラップなど、人は何でもお金に変えようとする。

ネットで騒がれた事件以外にも、テレビで報道された「女子中学生焼身自殺」は「晒し神」を「騙る」者に警告を鳴らし、ネット上での騙りは影をひそめていた。

（類似の「なんちゃって曝し紙」や「晒しモドキ」等は現れていた）

ある日突然に、書き込んだ内容により、自分の氏名、年齢、住所、仕事など、ピンポイントで特定され、ネット上に晒される恐怖に、それは当然だった。

そんな騒ぎの中で、不思議な書き込みがあった。

「○○建設　社長　中田　人殺し　詐欺　呪」晒し神

この書き込みは「晒し神」の事件を追い、「晒し神」を崇拝する「晒し神フリーク」からは、書き込みの手順の違いや、いきなりの晒し、「晒し神」が持つ、特有の雰囲気から「偽者」とすぐにみなされた。

ゆえに「本物」の出現を待ちわびる、ある種不謹慎な「晒し神ファン」達の注目を集めた。

三日ほど掲示板上での、書き込みの動きが無い所へ、待ちわびた「偽者」が動いた。

「○○建設　社長　中田　詐欺師　死ね」晒し神

その一分後に

「この様な行為　書き込み　悔い改めよ　続けるなら　罰す」晒し神