晒し神
この書き込みを見た、カルト的な「晒し神」の「ファン」達は狂喜乱舞した

「神 キタ コレ!」

「神光臨!!!」等の賞賛の書き込みの嵐

さも自分の信じる神を称えんばかりに、書き込まれる言葉の渦

その中に、書き込みの流れにそぐわない、一説が書き込まれた

「晒し神を騙った者です、ごめんなさい、ごめんなさい、ただ許せなかったのです、二度といたしません、許してください」

書き込んだのは32歳の主婦だった

つい最近、父親を亡くした彼女

父親は書き込まれた○○建設の下請けを、経営する小さな工務店で行っていた。

書き込まれた中田社長は、それを意図的に潰し、土地建物を奪っていた

多額な借金を抱え、騙された父親はそれを苦に列車に飛び込んだ。

その恨みからの騙っての書き込みだった

まさかの「本物」からのメッセージに、彼女は左手で膝のスカートを握り締め、右手の携帯の画面を見ながら震えた。

何かとてつもなく怖くなり、彼女は反射的に謝罪の文を書き込んでいた

その後、不思議なことに、彼女に対して「晒し神」が現れることはなかったが、晒しを楽しみにしていた者達から

「誤ればOK?」「誤ってすむならオレやろう」などとの書き込みが相次いだ。

数行、そのような「晒し神」を煽るような書き込みの後

「この様な行為 書き込み 悔い改めよ 続けるなら 罰す」晒し神

それ以降、誰も書き込まなくなった

唯達の捜査班もコレを、タイムリーに観察をしていた。
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