晒し神
唯達、捜査班もこの「晒し神」の「広範囲の個人の情報を即座に書き込む」特徴に注目していたが、それゆえにひとつの危惧も生じた。

これを考えると「もしや警察関係者に協力者がいる」とも思えたが、何かしっくりとこない。

検討を重ねている唯達に、誰かの
「おい!テレビつけてみろ」の声が聞こえた

テレビをつけてみると、ざわめきの中、耳のイヤホーンを押さえながら、レポートをする女性キャスターが映し出された

実況中継をする、女性キャスターのいる屋上から見える、同じ高さの隣のビルの屋上には、大声で喚き散らし、ランドセルを背負った少年の首筋に、サバイバルナイフをあてがう、三十前後の男がカメラに写りこんでいた
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