晒し神
唯は「晒し神」を誘き出す餌に、自分の最愛の一人息子「悟」を使い、推測が正しいのか、試してみたいと、市毛に告げていた。
唯に結婚暦はなかった。
婚約していた彼の子を、身篭ったのが解り、式まで秒読み段階で、幸せの絶頂にいた唯は、交通事故で最愛の彼を奪われていた。
そこから彼女は、両親の力も借りつつも、女手一つで悟を育ててきた。
「あ、所でお願いしていた件、どうなった?」話を変えつつ唯は市毛に尋ねた。
ちょっとムッとした表情をしながら
「事件の起きた各県のサイバー対室には要請済みです」
「こちらのほうはもう少しで出ると思います」と市毛は答えた。
唯は現在わかっている70件近くの「晒し神」の発信源とおもわれる、特定したプロバイダー契約者の、使用していたパソコンに入っている、プログラムやファイル等、全てをピックアップしてほしいと市毛に頼んでいた。
「何かがあるはず」とつぶやく唯に
「ですから悟君の件ですけど」と話をぶりかえす市毛。
「もうこんな時間?あら~!」と壁の時計をみながらカバンを持って立ち上がり
「ちょっと出てきます~」とそそくさと部署を出て行った
唯に結婚暦はなかった。
婚約していた彼の子を、身篭ったのが解り、式まで秒読み段階で、幸せの絶頂にいた唯は、交通事故で最愛の彼を奪われていた。
そこから彼女は、両親の力も借りつつも、女手一つで悟を育ててきた。
「あ、所でお願いしていた件、どうなった?」話を変えつつ唯は市毛に尋ねた。
ちょっとムッとした表情をしながら
「事件の起きた各県のサイバー対室には要請済みです」
「こちらのほうはもう少しで出ると思います」と市毛は答えた。
唯は現在わかっている70件近くの「晒し神」の発信源とおもわれる、特定したプロバイダー契約者の、使用していたパソコンに入っている、プログラムやファイル等、全てをピックアップしてほしいと市毛に頼んでいた。
「何かがあるはず」とつぶやく唯に
「ですから悟君の件ですけど」と話をぶりかえす市毛。
「もうこんな時間?あら~!」と壁の時計をみながらカバンを持って立ち上がり
「ちょっと出てきます~」とそそくさと部署を出て行った