晒し神
「電話~?」と聞く悟に

「うん」とにこやかに答える、母 唯。

少し間があいて
「カナちゃん持ってる」と悟が答えた。

「そっか~、カナちゃんの携帯電話、悟使った事ある?」と聞くと、
悟は大きく首を振った。

唯は「そっか~」と言いながら、両手で、悟るの洗い髪を、くしゃくしゃとして笑った。



「唯さん、68件分ですが、この前言っていたモノ、揃いました」

市毛は唯に頼まれていた、各事件の「晒し神」の発信源で使われたと思うパソコンのデーターを持ち込んできた。

「ありがとう、けっこうあるのね」厚みのある報告書を前に唯は言った。

「これをどうするのですか?」

「このデーターで、使用されたパソコン全てに入っている、同じプログラムとかを探してほしいの」

「入っている、同じ共通のものを探せばいいんですね」

「そそ、同じもの全部ね」モニター見ながらコーヒーをすする唯に

「あの、例の件ですけれど」と市毛が切り出した。

「もう動き出したよ、昨日」とモニターを指差す

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