晒し神
唯は昨日の休日に、悟をつれて都内のデパートに買い物にでた。

子供との楽しい会話の中、子供服やおもちゃを買い、デパートを出ると

「悟~、ママ、おいしいプリンのお店知っているの!行く?」と話かけた。

「うん!」と元気良く首を縦に振る悟に

「よ~し、いこう!」とつないだ手を「オー!」と持ち上げた。

唯は下調べをしてあったホテルに、悟を連れて行くと、フロアーの隅に設置してあるパソコンの近くに、何気なく歩きながら悟を誘い

「あ、パソコンだ!悟、してみる?」と尋ねた。

「ウン」という悟に「待ってね~」というと、手早く匿名掲示板を開き、書き込みの欄にカーソルを合わせた。

「じゃ~ここ座って」と抱っこすると

「これ押してみようか~」とキーボードのキーを指差した。

悟は訳がわからずにも、指図されたキーを夢中で押した。

「うまい!うまい!」と褒める唯の、モニターを見る目は、声とは裏腹に険しかった。

「この件は、上に通して無いですよね?大丈夫なのですか?」と聞く市毛に,
振り向きながら唯は

「ごめん。でも解りかけてきた気がするの。もう少しだけ、好きにやらせて」

手を合わせて、心配してくれる部下に、彼女なりの気持ちを伝えた。


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