晒し神
「試用するにあたり、少し心苦しさもあってね」

「本来はメインのソフトだけでいいのだけど、それだと対象が不特定多数になるので、特定して使うようにした」

「メインソフトとリンク出きるプログラムを、うちのソフトの中に入れ、無料で配り、偶然そのソフト2つを、使った人達だけの情報を、モニターしようとした」

「晒し神という名前は製品名?」

「いや、予定の製品名は ハニービー つまりミツバチ」

「晒し神という名前は、勝手に自分で作り出した呼称だよ、けっこう、高性能なAI(人工知能)も組み込んでいるから」

「止められないのですか?」

「そろそろ止まるよ、稼動できる時間を設定してあるから、あと一ヶ月も無いよ」

「設定したワードは?」

頭を掻きながら、コーヒーをすすると、少し恥ずかしそうに
「笑うなよ」と念を押して

「水戸黄門と遠山の金さんと必殺仕事人」

聞いた唯はポカーンという表情をした。

「いや、俺、時代劇好きでね、このワードで、どう関連付けして、何を持ち帰るのかな?ってさ」

「単純に“趣味”とかにしておけば良かった」
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