晒し神
「でも、唯で良かったよ、プロトとは言え、死者が多数出ている、悩んでいたよ」

その後、北原は、自分の会社の事などを話し、おもむろに

「オレを逮捕してくれ」と微笑んだ。

いきなりの言葉に

「それはまた部署が・・・」と言葉を濁し、小声で言う唯に

北原は内ポケットから一枚の写真を取り出して見せた。

「カワイイだろ、オレの一人娘、美夏って言うんだ」

「もう少しで誕生日でさ、七才になる。年に数回しか逢えないけどね」

「奥さんだった人とは四年前に別れてさ。その時、親権も取られちゃった」と少し寂しそうに笑った。

「明日、約束していたプレゼントを贈ったら、まぁ~心残りないし」

大学当時から変わらない、あっけらかんとした人柄に、唯は少し安心した
< 45 / 50 >

この作品をシェア

pagetop