晒し神
数日後、大学の構内を歩く雄太は、後ろからの「ゆう~!」と呼ぶ、歩美の声に振り向いた。

「ネット!掲示板見た!?」
いきなり、息を切らしながら聞いてきた。

「え?何の?」

「ほら、ゆうが怒っていた礼の書き込みの!」

「あ~!見てないけど、あれがどうした?」

「晒されてるよ!それもうちの学校の人!」

「え?マジ?!」驚く雄太。

「マジ!マジ!」

「有り得なくネ?うち福祉系の学校だぜ?」

「いいから!パソコン室行こう!」
雄太の袖を掴んで、歩美が歩き出した。

カチャカチャとキーボードを操作して「ホラッ、コレ!」と、歩美が画面を指差した。

そこには
「△□福祉大学 社会福祉学科 ☆○×キャンパス 教務課 男」晒し神

「え~!マジかよ、洒落になんね~!」
驚き顔の雄太が言った。

「誰だと思う?教務課の男の先生って何人いたっけ?」
振り向きながらワクワク顔で歩美が聞いた。

「何人って、解んないけど、イタズラじゃねえの?」

その答えに「ん~」と右手の人差し指を額にあて、何故か探偵モードの歩美が「教務課、見にいこっか!」と目を輝かせた。

「あのなぁ~」
呆れ顔で雄太は笑った



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