晒し神

ミカ

唯さんの話の中に出た
「”プロトタイプ”があるなら、完成品があると読んで、電話で唯さんに頼まれたから、渡してほしいと騙して、誘い出したと言っていました」

「他の部署に、この件が移る前にしか、手に入れるチャンスがないと思ったのね」
少し寂しそうに言いながら、唯はコーヒーを口元に近づけた。




ピンポーンとチャイムの後に
「宅急便です」と荷物が届いた。

自宅が不在だったため、一日送れての再配達に、受け取った美夏の母親は

「美夏にだって」と荷物を手渡した。

二人はまだ、北原の訃報は知らなかった。

送り主の名前を聞き
「パパからのプレゼントだ!」と喜んで、すぐに中身をあける美夏。

「約束していたハンドバッグだ!」と七五三用に送られてきた、バッグ持って喜んだ。

そのバッグの下に、もうひとつのプレゼントが入っていた。

そこには「AISITERUMIKA」とラベルの貼った、
一枚のCDソフトが鈍く光っていた。
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