水島くん、好きな人はいますか。
「瞬の最下位を祝してーっ」
「かんぱーいっ!」
「すんじゃねえ!! 2回連続で最下位とか、あの馬おかしいだろーがっ!」
ゲームセンターの奥にある自販機の前で、瞬以外はお腹を抱えて笑っていた。
「いやあ、1回目で最下位になったときはやったー!って思ったけど、まさかリベンジまで……」
堪え切れず吹き出すみくるちゃんに、ハカセも拳を握る。
「ある意味引きが強いってことだよ。瞬、持ってるね」
「うるせえよ! 2度とやるかあんなもん!」
喚く瞬は2回連続で敗北したことが相当悔しいらしい。
「あそこまで怒りを露わにされると、逆に笑っちゃう」
「瞬の負けず嫌い、ちょっと譲ってほしくなるけん」
「うーん。譲ってほしいような、お断りしたいような……瞬の闘争本能って並みじゃないからなあ」
「万代の闘争本能は低すぎじゃと思うけどな」
「ひ、低いけど全くないわけじゃない! ……たぶん」
「たぶんって!」笑い出す水島くんに頬が染まる。
すっかり夢中になって忘れていたけど、水島くんは都合がつかないときのほうが多くて、勉強会に参加するのも時々だから、今日来てくれたことが嬉しい。