水島くん、好きな人はいますか。

「あーねみぃ」と空いてる椅子に座った瞬はこれ以上、戸惑うふたりに説明をする気はないらしい。


サマーキャンプは毎年行われていて、全学年合わせて先着40名のみの人気行事。


参加受付が始まる今日、瞬は朝早くから学校に来て申込書を勝ち取ってくれたことになる。


「あの、ね? この前みんなで遊びに行こうって話、したでしょ? それで、前々からサマーキャンプ行きたいって瞬と話してて、」

「お前らに拒否権があると思うな」

「それでね、先輩に訊いたらレポートとかもあるんだけど、バーベキューとか、花火もできるんだって」

「お前らは黙ってここに名前を書きゃあいいんだよ」

「もちろん参加費は取られちゃうんだけど、どうかな? あ、でも無理だったら本当、断ってくれても、」

「ふっざけんな万代! 徹夜した俺の努力を消し飛ばす気かっ!」

「ちょっともう黙っててよ瞬! どうしてそう上からしかものを言えないのっ」


バンッと机を叩き、立ち上がった瞬に続く。


「ああ!?」と睨まれたって、わたしは屈しない!


「この俺がクソマヨネーズなんかのために動いてやったのに、なんだその言い草!」

「みんなの返事聞いてからにしようって言ったのに、瞬がサプライズでいい、俺が申し込みに行く、ってきかなかったんでしょ!?」

「みんなで遊びに行きたいーって俺に泣きついてきたのはてめぇだろ!」

「なっ、なん、嘘だ! 泣いてなんかないもん!」


ふたりの前でなんてこと言うの!
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