水島くん、好きな人はいますか。
瞬やみくるちゃん、延いては水島くんも避け続けることは難しいってわかっている。だけどその意思があると察してもらえるだけでも、状況は変わると思った。
前触れなく避け始めたわたしに疑問や不快を抱いて、関わろうとしなくなるまでに、きっと時間はかからない。
わたしは、わたしよりずっと魅力的な人を惹き付けるものを持っていない。
だから大丈夫。今度こそ、うまくやれる。
「……喉痛い」
病院に行かなければ、と頭を切り替えて携帯を手に取る。すると思っていた以上にメールが届いていた。
昨日のうちにりっちゃんを含むクラスメイト3人と、瞬にみくるちゃんから。日付が変わったころに瞬と水島くんから。そしてわたしが起きる少し前までに、みくるちゃんからメール、瞬から着信が入っていた。
どれも早退に対する気遣いや、昨日から具合が悪かったのか、体調はどうなのか、今日は休むのか、ゆっくり治してね、というものだった。
弱ってるときって、こういうの、くるなぁ……。
決意を揺るがすのは人の優しさ以上に、目に溜まる寂しさに思えた。
揺れる水面のような視界に陽の光が反射する。
ゆらゆら、きらきら。
見える世界が毎日、輝かしいものだと感じられたらいいのに。
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