水島くん、好きな人はいますか。


「仲良くする努力もできないのに、みくるちゃんや水島くんの優しさに甘えて、成り行きに任せて瞬との約束をやぶって……そんなの、煙たがられて当然だった」


だからこそ邪魔に思ったことはないって言ってもらえて、本当に嬉しかったの。


でも、嬉しさを感じるだけで終わっちゃいけないんだ。


「……瞬も、みくるちゃんも、水島くんも。わたしといることで見下されたりするのに、仲良くするのやめたらって言われたとしても、やめないかもしれないって思った」


わたしを邪魔だと思う人は確かにいて、いざこざも、ひやかしも、完全になくなるわけじゃない。


そんな渦中にずっといたら、嫌になると思う。


いつか、わたしと関わらないほうがいいって感じる日がきても仕方ないと思う。


それでも、それでも、わたしは……。


「うん」


落とした視線を誘導するみくるちゃんの声に、真剣な眼差しに、膝の上で拳を握った。


「あたしたちが嫌な思いをするかもしれないのに離れないから、万代から離れようとしてくれたんだよね」


うん……そうしようと思った。だけどもう、やめるの。


「それでもいいっ……?」


「え?」と呟いたみくるちゃんの視線に、耐える。


「そんな面倒くさいわたしでも、仲直り、してくれる?」

「……」

「わたしにできること、少ないけど……努力する。みくるちゃんと、友達でいたいから……」


もう遅いかな。まだ、間に合うかな。
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