ヒトカケラ
儚いヒトカケラ

必然で、

「ほら、早く起きなさいったら!!」
「…ん、?」

私は急に感じた肌寒さに目を覚ました。
目の前には凄い形相のお母さんが…。

「その顔やめてよねー。化け物じゃないんだから」
「失礼な子だね、全く。ほら、もうそろそろ夕真くん迎えに来るよ」
「あっ!!!」

私は勢いよくベッドから下りると携帯を手に取る。
そして急いでメールを打つ。
宛先はもちろん夕真。

【おはよー!!今起きた!!】

私は着替えながらも送信ボタンを押す。
…と返信は以外と早く返ってきた。

【また寝坊かよ。じゃあ用意できたらまたメール頂戴】
【はは、ごめん<(__)>わかった!!】

そこでひとまず休憩する私。
そんな私は麻原遊里。そしてこれでも高校二年生。
夕真、というのは昔からの幼なじみで幼い頃に両親を亡くしている。
表向きは事故ってえことで終わってるけど、本当は誰かに殺されたんだ。

…って辛気くさい話はここらへんにして。
私は一通り用意が出来た事を確認すると、メールを送る。

【用意できたよー☆】

これは夕真宛て…。そしてもう一つ送った。

【あまり暴れないでよね(笑)】

こっちのは私のお兄ちゃん宛て。
お兄ちゃんは地元じゃかなり有名なヤンキー…なんだって。
毎日喧嘩しているのか、痣やかすり傷などがいつも見られる。
でもお兄ちゃんは家では…というか私にはとても優しくて、面白くて、頼りがいのある人。
だからそんなに有名な不良だって言うのがあまり信じられない。

——チャララン♪

受信音…。
私は携帯を手に取りメールを確認。

「あれ!?二つある!!…いつのまに来てたんだろう…」

-新着メールが二件あります-
画面の文字を見つめたあと、私はメールを開く。

【今着いた】
【暴れてるつもりはねぇよo(^o^o)】

私は急いで外にでながらそれぞれの文を見て微かな笑みを浮かべた。
返事が返ってきた安心感がほとんど。




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