彼はネカフェ店員
プルル…
プルルル…


出ない。


車で迎えにきてもらおうと思ったのに…。


もう寝ちゃってるのかな・・・



女の子みたいな綺麗な顔立ちで、男子からも女子からもモテるシンちゃんへの心配は尽きない。



そんな風にボーッと考えごとをして突っ立っていると、

「お嬢ちゃん、一人?」

いかにもな酔っ払いおじさんが声を掛けてきた。



「いくら払えばおじさんと寝てくれる?」



ヤバい


逃げなきゃ。



結局私が逃げ込んだ先はネットカフェ。

入口付近まで来たものの、何だか入りづらい雰囲気。

建物自体はまだ出来たばかりなのか、結構綺麗だ。



--うぃーん  



迷っている私を通り過ぎて、同い年くらいの女の人が入っていった。



「いらっしゃいませー」



店内から聞えて来る、ちょっと掠れた感じの特徴的な声。


ん?

この声

なんか聞き覚えあるぞ。
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