彼はネカフェ店員
迷子の彼女。
「お客様、当店のご利用は初めてで・・・」
「・・・・・・」
「っらっしゃいますよね。」
言葉もなく睨みつける私に、怯えているようにもみえる。
マニュアル通りの接客、でもシンちゃんの笑顔の輝きといったら半端ない。
かわい----
はっ
いかにかん。
あの笑顔に騙されてはいかん。
「禁煙のシングル、47番でよろしいでしょうか」
「はい」
「では、ごゆっくりどうぞ」
ああ・・・
なんか、涙出そう。
入店バインダーを持って、右も左も分からない私は漫画の棚の前で立ち止まる。
仕方ないことでも、他人行儀は寂しい。