シークレット・ワード


二人でついたのは屋上


「ラッキー、誰もいない」



屋上に広がるのは青く広い空と夏樹と二人だけの空間



「奈緒、俺腹へったから飯食お!」


「うん、いいけど私ご飯持ってないよ?」



今日の朝は忙しかったし、今だって夏樹に連れてこられたから何にも持ってない



でも夏樹の手にはしっかりと白いビニール袋が握られている



「あるよ、奈緒の昼御飯」



いたずらに笑った夏樹が私に向かってビニール袋を振る



「?」


「奈緒の好きなイチゴジャムパンとカフェオレ!!」



もう、ずるいよ夏樹


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