シークレット・ワード


「誕生日おめでとう。」


「………………。」


「…なお?」


私の頬を温かいものが伝う多分、私の誕生日なんて覚えてる人のほうが少ないと思う

私の親は共働きで私の相手なんて全然してくれなかった


だから…
だから、私の誕生日を覚えててくれるだけでも嬉しいのに…


ましてや、好きな人に祝ってもらえてプレゼントまで貰えるなんて……


「なお?……って、何泣いてんだよ?!俺なんかした?俺が待ち合わせ遅れたから泣いてんの?」


「違うよ〜、嬉しいの〜ありがど〜なづぎ〜〜。」


泣いてて上手く喋れないけどこの気持ちは夏樹に伝わったかな?


「わ、わかったから、な?だから泣き止め。」


「うん。」


「あっほら。開けてみ?奈緒が欲しがってたもの、入ってるから。」


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