まだ人間に慣れてません。
「おーい、雨、降ってるから傘もってけや、ほれ。」

早足に店を出ていこうとする俺に、梶さんが慌てて傘を持ってきてくれた。


「あ、ありがとうございます。あ、でも梶さんの傘…ありますか?」


「いいっていいって、お疲れさん。また明日〜」


梶さんは怠そうに手を振りながらそっけなくキッチンに戻っていってしまった。

「お疲れさまでーす…。」


誰もいない空間に、それとなく挨拶をして
方向転換。


扉を開けた瞬間に雨の音が耳に飛び込んできた。

めっちゃ降ってるじゃん。
うわ〜梶さんに感謝だなー。


心の中でもう一度梶さんにお礼を言って
店を後にした。



そういえば、前にもこんなことあったな…
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